ある夏の日の事
「馬鹿を本気でやるには歳を取りすぎたんだよ俺たちは……。」
瑛斗はどっか達観したような表情で青空を仰いでいた。
「明日も良く晴れそうだ」
彼が見上げる先には、刺すような勢いで照りつける太陽があった。
夏の空だった。
「まあでも、たまには馬鹿をやらないといけないんじゃない?」
瑛斗と同じ物を見上げながら僕は言った。
「そうか……」
クマゼミはそんな僕らの会話を阻もうとするかの如く大声で鳴いていた。
夏の音だった。
「だったら、お前はどんな馬鹿をやるんだ?」
陽炎は近くの瑛斗の姿さえゆがめようとしている。
夏の景色だった。
「それは僕だけじゃ分からない。みんな一緒じゃないとどんな馬鹿をやっても意味がないだろ?」
燦々と輝く太陽、全ての音をかき消す蝉の鳴き声、心の状態を表すかのように姿を歪めんとする陽炎。
夏だった。全てが夏の姿だった
どうしようもないくらい夏だった。
「なるほどな……。だったらみんなで馬鹿をやるか……」
いつものようにニヤッっと不敵な笑顔を向けながら瑛斗はそう言った。
本当の夏が始まる。
――DEES今秋再始動予定――
「無限の8月も終わったんだ。本気を出すしかないよな……」
とかなんとか……(8割くらいフィクションです)